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マルクス主義同志会機関紙
『海つばめ』

◆隔週日曜日発行/A3版2ページ
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郵政民営化の中で何が起きているのか?
郵政労働者は告発する!

■民営化の嵐の中で最大の御用組合の登場――JPU臨時全国大会議案批判
■郵政民営化――今、職場では/郵政現場からの報告
■恐竜化か、リリパット化か――郵政民営化のジレンマ
■西川善文著『挑戦――日本郵政が目指すもの』/民営化に賭けるトップの本音


憲法改悪と
いかに闘うか?


■改憲に執念燃やす安倍――「国民の自主憲法」幻想を打ち破れ
■労働者は改憲策動といかに闘うか
■国民投票法をどう考えるか
■安倍の「美しい国」幻想――憲法改定にかける野望


本書は何よりも論戦の書であり、その刊行は日和見主義との闘いの一環である。
マルクスが『資本論』で書いていることの本当の意味と内容を知り、その理解を深めるうえでも、さらに『資本論』の解釈をめぐるいくつかの係争問題を解決するうえでも助けとなるだろう。


全国社研社刊、B6判271頁
定価2千円+税・送料290円
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「不破哲三の“唯物史観”と『資本論』曲解』(林 紘義著)」紹介(『海つばめ』第1048号)


全国社研社刊、B6判384頁
定価2千円+税・送料290円
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「天皇制を根底的に論じる『女帝もいらない 天皇制の廃絶を』(林 紘義著)」(『海つばめ』第989号)他

理論誌『プロメテウス』第54号
2010年10月(定価800円)

《特集》菅民主党のイデオロギーと“体質”
・神野直彦の思想と理論――菅直人のブレインは「曲学阿世の徒」
・原則なき寄せ集め政党――顕現するブルジョア的“体質”
反動的な「文化」の擁護に帰着――レヴィ=ストロースの「文化相対主義」批判


 
 
 教育のこれから
   「ゆとり」から「競争」
   そして「愛国教育」で
   いいのか
 林紘義 著 7月1日発売

  (全国社研社刊、定価2千円+税)
  お申し込みは、全国社研社
  または各支部・会員まで。
  メールでの申し込みも可能です。

まかり通る「偏向教育」、「つくる会」の策動、教育基本法改悪の動きの中で、“教育”とは何であり、いかに行われるべきかを、問いかける。  


 第一章  
教育基本法改悪案の出発点、
森の「教育改革策動」
 第二章  
破綻する「ゆとり」教育の幻想
 第三章  
“朝令暮改”の文科省、
「ゆとり」から「競争原理」へ
 第四章  
ペテンの検定制度と「つくる会」の教科書
 第五章  
歴史的評価なく詭弁とすりかえ
つくる会教科書(06年)の具体的検証
 第六章  
日の丸・君が代の強制と
石原都政の悪行の数々
 第七章  
憲法改悪の“露払い”、教基法改悪策動

●1294号 2017年2月5日
【一〜二面 特集・トランプと安倍】トランプは4年遅れの安倍だ―― TPPに加え円安誘導もやり玉に日本攻撃
【1面サブ】働く者のセミナーに参加しよう
【コラム】飛耳長目
【二面〈主張〉】「多様性の」米国の頽廃――オバマの米国からトランプの米国へ

※『海つばめ』PDF版見本

トランプ4年遅れの安倍だ
TPPに加え円安誘導もやり玉に日本攻撃

「米国第一」のトランプの、他国の「自国本位主義」に対する攻撃はますます激しく、そして尖鋭なものとなり、ブルジョア世界を揺さぶり、震撼させて止まない。彼はブルジョア世界の、隠されていた国家間の真実の一面を衝き、暴露するが故に、安倍政権はただ弁解の言葉を連ねるだけで、ろくな反論もできず、しどろもどろの言い抜けに終始している。トランプはTPPは日本などに有利で米国に不利であると非難し、離脱したが、今回は日本の為替引き下げの策動に食ってかかり、安倍政権の「異次元の」金融緩和政策、円安誘導政策を攻撃の的とし、それよって米国の輸出の縮小、国内産業の衰退や空洞化、労働者の大量失業等々、多大な国益の損失を招いたし、今も招き続けていると騒ぎ立てている。

円安誘導で日本を告発

 安倍や黒田らは、トランプの言うことはでたらめだ、「金融緩和は国内の物価安定目標の早期達成ためで、円安誘導を目的としたものではない」とか、「デフレ脱却という国内政策目的のためにやっている」と必死の弁明に走っているが、もちろんそんなものはトランプにとっては「馬の耳に念仏」ほどにも響かない。

 というのは、リフレ派や安倍政権が成立した当時から、金融の大緩和によって円安を可能にすると散々に語っていたことを、彼は先刻承知だからである。

 実際、我々は安倍政権が成立し、金融緩和や円安誘導の政策に没入し始めた頃、リフレ派や安倍政権を暴露して書いている。

「安倍政権は政策的に(『無制限の』金融緩和によって)円安をもたらすのだと散々に言い、日銀に圧力をかけ続けた後、国際的に『日本は為替ダンピングをしている』という非難の声が巻き上がり、高まるや否や一変して、円安は意図的なものではなく、ただ景気回復策を取った結果としてたまたま生じたにすぎない」(『アベノミクスを撃つ』66頁)

 安倍らは当時、こうした苦しい弁解をしたが、そうした観点は今に至るまで一貫している。

 しかし仮に円安を意図してやっているのではないと言っても、「異次元の」金融緩和は、結果としては、円安以外にどんな成果≠熕カまなかったのだから、4年間も金融緩和策を延々と続けながら、デフレ克服は一向に進まず(2%の物価上昇などどこにもやってこず)、円安で大企業の輸出が伸び、業績が良くなってようやくアベノミクスの面目が立ったのだから、円安誘導が金融緩和の目標であったのだとトランプに言われても、安倍はどんな反論もできないだろう。実際に、「異次元の」大金融緩和によってもたらされたのは急速に進んだ円安だけであって、物価上昇では全くなかったという、れっきとした状況証拠があるのである。金融緩和にかける安倍政権の最優先の目的の一つが円安でなかったら、デフレ克服や物価上昇や景気回復にほとんど効果もないような金融緩和政策を、何のために4年間も続けたのか、続ける必要があったのか。円安誘導のためでないと、安倍は白を切ることはできないし、そんなものはトランプには全く通じないであろう。トランプは安倍政権の不誠実さと厚かましさに――自分のことは棚に上げて――、ますますその態度を硬化させるのがオチである。

 最近の円安は、米国の利上げのためであって、あるいはトランプが大減税とインフラ投資を呼号したからであって、日本には関係ないとも言うが、まず第一に、トランプが言うのは安倍政権の4年間のことであって、「最近」のことではなく、また米国の利上げが円安の原因だというなら、それはまた日本がゼロ金利やマイナス金利という、極端な低金利政策を、邪道の経済政策を取り続けてきたからでもあって、米国やトランプも利上げを止めて、日本と同じマイナス金利政策にでも走れば、あるいは安倍に倣って、借金による財政膨張や金融の量的緩和の政策に逆戻りするなら、虚妄の円安もたちまち消えてなくなるしかないのである。

 米国がまともで、いくらかでも健全な経済政策を取っているから悪いのだといった批判は、安倍政権の経済政策の歪んだ本性や意図を自ら暴露するものであることに、彼らは気が付いていない。

 我々は、安倍政権の円安誘導の政治に最初から警告を与え、日本の景気回復の出発点になった、アベノミクスの成果だと浮かれる安倍政権に、安倍の円安誘導政策は世界中の国家に、自国通貨の引き下げ競争を生みだし、その悪影響はブーメランのように、より強烈な金融緩和やカネのバラまき等々への誘惑として、日本に帰ってくるだけであって、日本の経済的困難や衰退にとってもマイナスの結果しかもたらさないと強調した。

 そしてトランプが登場すると共に、我々の警告が全く正当であったことが明らかになった。

 我々は当時、リフレ派が、仮に安倍政権が円安誘導をしても、世界中の国家がみな同じことをすれば、結果として為替相場は何も変化しないが、しかし世界中の国家はデフレ脱却が可能になり、万々歳の結果が待っているなどと、独り合点の俗論を振りまきつつ円安誘導を擁護したとき、それに反論して書いている。

「しかし円安の効果を可能にするには、全ての国が同じことをしたのでは何もしないと同様で、為替相場を低下させる意味はなくなるのであって、いくらかでもその効果≠口にし、誇るためには他国に先んじて〔他国を出し抜いて〕、あるいはその規模や徹底さにおいて極端で深刻な政策を〔「異次元の」ものを〕強行する以外ないのだが、そんなことが始まれば、全ての国家が競争の圧力のもとに、そうした方向に一斉に走り出しかねないのであり、いったん競争が始まればそうするしかないのである。資本の支配する社会や階級社会では――従ってブルジョア国家間でも――綺麗事が通用しないこと、ギリギリの時には、『やっつけなければやっつけられるだけ』という法則≠ェ通用することは、誰でも知っていることではないのか」(同72頁)

 安倍が挑発した為替戦争は、トランプの反撃として、それこそブーメランのように、安倍の顔面を狙って返ってきたのであって、そのことで安倍はトランプを非難できるはずもないのである。トランプは明白に、安倍政権の4年間こそ、日本が円安誘導をして、米国に安売り攻撃を仕掛けて利益を得たと告発し、浮かれてきた安倍にその場当たりのデフレ脱却政策や軽率な「自国本位の」政策の罪≠問うのだが、そのトランプもまた、安倍と同じようなことをするしかないのである。国家主義の連中とは、せいぜいこんなレベルの連中ばかりであり、散々に世界中の労働者、勤労者を引き回し、「奔命に疲れさせ」、あげくの果てには地獄への道に追いやるのである。

昨年の春の一エピソード

 安倍政権が円安にどんなにこだわってきたかは、昨年4月の20ヶ国・地域財務省・中央銀行総裁会議で、円高が進むのを念頭に、「為替市場での一方的に偏った動きに強い懸念を有している」と、進み始めた円高傾向に危機意識を強め、恐怖を感じて、暗に円安のための為替政策の強行を要求し、発言したことからも明らかである。愚昧な安倍政権は、そんな日本の要求が、世界中の国の容認や支持を簡単に得られると楽観≠オていたである。

 しかしこのとき、すでに米国は日本の金融緩和や為替介入による円安誘導に強い警戒心を抱いており、米国のルー財務長官は――すでに日中を「為替操作国」と声高に糺弾するトランプが大統領選の予備選で、共和党候補のトップを走りはじめていた背景もあって――、「円高は進んだが、(そうした)為替市場の動きは秩序的だ」、つまり正常な動きであると発言、日本の為替介入は許さないという強い態度を示したのである。麻生は憤激し、切歯扼腕の体であったが、歯ぎしりする以外何もできなかった。

 トランプは今、「他国は資金供与――「異次元の金融緩和」のことである――通貨切り下げで優位な立場をとってきた。日中は何年も通貨安誘導を繰り広げている」と明瞭に批判するのだが、それが事実だとするなら、偽りのごまかしを並べる以外、安倍はどんなこともできないのだが、安倍のそんな不誠実な¢ヤ度はますますトランプを――したがってまた米国の国民を――硬化させるだけである。

 麻生はこのとき、「急激な円高、円安には、我々はいろんな手段をとる」と公言して、直接、間接の為替誘導を少しも否定しないばかりか、それは日本の権利だ――共産党にいわせれば、重要な経済主権≠ナあり、断固として発動すべきだ――と強調しているのだから、そんな安倍政権が今さらのように、為替誘導の意思はなかったし、やったこともないというのが、どんなに厚かましい虚偽や偽善であるかは余りに明らかである。

 かくして、安倍政権の円安誘導つまり「日本第一主義」の経済政策こそが、今度は米国の、つまりトランプの「米国一第主義」の政策を挑発し、呼び込んだのだが――少なくとも、その重要な契機になった――、安倍は自分で自分の円安誘導を、つまり「日本第一主義」を批判し、あるいは反省する以外の、どんな道も残されていないのである。

TPP離脱も安倍の「日本第一主義」故

 TPPもまた同様であって、我々はすでに4年ほど前、発足した第二次の安倍政権がようやく重い腰を上げてTPPに参加した時に、安倍のように日本の国内向けには、「国益第一主義」を叫び、外に向かっては偽善的に「自由貿易主義」を掲げるなら、そんな二枚舌的なやり方に終始するなら、TPPは必ずや破綻すると予言≠オたが、それは見事に的中したのである。

「安倍が国益優先を叫び、アメリカやオーストラリア等々が同じように叫ぶなら、TPP合意といったものは空中分解するか、あるいは単にお互いの国益≠認め合う、毒にも薬にもならないようなありきたりのものになるだけであって、そんなものを、日本の経済成長≠フキーポイントにする、なし得るなどというのは幻想であろう」

「国益≠フために参加するなどと絶叫しながら、TPPに参加するなど矛盾であり、錯誤であって、そんな立場がたちまち行き詰まり、安倍はTPPそのものを失敗に導くか、あるいは如何ともし難くなって、自らそこから脱落するか、どちらかしかないように見える」

「もし自動車で米国や新興国の関税の撤廃を要求するなら、コメなどの農産物で自国の関税を撤廃しなければ話がおかしいのであって、相手の関税は『例外なく』一掃すべきだが、自国の関税は『聖域』として固守するなどという得手勝手な立場に立って行われるような『交渉』が狐と狸の化かし合いのようなものになるだけで、決して成功しないのは明らかであろう」(『アベノミクスを撃つ』194頁~203頁参照)

 我々のこうした予言≠ヘ、4年前、途方もない主張に見えたかも知れないが、今や我々の見通したとおりの結果に行き着き、安倍政権は4年だけ先行したトランプ政権であり、両者は同じ姉の穴のむじなであることを明らかにしたのである。

 TPP問題でも、日本の労働者、勤労者はトランプを批判する前に、自国の支配層を、安倍政権を、その立場や主張を批判し、告発しなければならないのであり、むしろ労働者、勤労者の利益考えるなら、安倍政権の登場を許してはならなかったのであり、あるいは4年間も政権に居座り続けさせてはならなかったのである、安倍政権を粉砕することでトランプの出現を阻止すべきだったのである。

 それをなし得なかったと言うことで、日本労働者、勤労者は世界の労働者、勤労者に大きな借りを作ったのだが、それは反動的な国家をまだ許している多くの国家の労働者、勤労者が、そのことで世界の労働者、勤労者に借りがあるのと同様である。

 トランプの安倍政権への容赦のない攻撃は、国家主義者同士の関係がいかなるものとして存在するかを明らかにしている。彼らは同じ政治的立場にありながら対立し、お互いに退けあい、いがみ合う連中、そして諸国民をもまた、対立や大規模な紛争や、世界戦争にまで駆り立てる悪党たちである以外ないのである。

 つまり為替の問題もTPPの問題も、トランプが悪い以上に安倍が悪いのであり、問題のもとを作ったのは、トランプである以上に安倍であって、安倍は決してトランプを非難することも、批判することもできなのである、というのは、それは自分自身を非難し、批判すると同じことになるからである。

トランプ権力一掃のためにも安倍権力を一掃せよ

 トランプよりも安倍の方が罪が深いのは明らかである、というのは、安倍はトランプよりも4年も早く権力を握り、今トランプのやっていることと同じようなことを、つまり「日本第一主義」を4年も先行し行い、トランプに見本を示してきたとさえ言えるからである。

 トランプが今やっていることは、我々はこの4年間、安倍という人間のやってきたこととして、しっかり見てきたようなことばかりである。

 「日本第一」として、中国や韓国への植民地支配や侵略や奴隷化や略奪等々はなかったと言い続けている、安倍政権の他国民に対する侮蔑や蔑視や攻撃は、トランプが今外国人や移民や他国民に対して、徹底した形で繰り返している。民族主義や排外主義、レイシズム等々も似たようなものである。

 権力を握ると、安倍が日銀や裁判所や法制局やNHKなどに、自分の腹心を、ろくでもない野心派、反動派を入れて乗っ取り、自分の思う通りに、あるいはむしろ私利私欲≠竚力野望のために動かそうと露骨で、下品な策動にふけったが、トランプの今やっていることとそっくり同じである。

 我々は安倍政権が誕生した4年前、安倍がTPP交渉に参加するのを決定し、保護主義によって「国益」を断固として守ると叫んでいるときに、そしてまた、「異次元の」金融緩和か何かは知らないが、カネをバラまくことによって円安誘導に血眼になっているときに、余りに明白に安倍に警告したのである、安倍政権の「日本第一主義」や国家主義は、つまり保護主義や円安誘導は、必ずや諸外国の、米国さえもの、反発や反感を呼び、それら諸国の保護主義や国家主義を、否、危険な軍国主義や帝国主義さえも挑発し、それを顕在化させ、発展させるだろうと明白に語ってきた。

 そしてトランプが登場するや否や、お人好しで、臆病な<Iバマのもとでは辛うじて隠されていた米国の国家主義や、安倍と同様な「自国第一主義」が突如として現れたかであるが、しかしそれは米国内に潜在していたものであり、まさに安倍政権の――そして世界中に充満し、あるいはし始めている――「自国第一主義」、したがってまた「日本第一主義」に対抗し、それを容赦なく暴き、攻撃することによって、自らの正当性を主張し、権力にたどり着いたのである。

 だから安倍は、トランプの国家主義や「自国第一主義」については、直接の、大きな責任を負うしかないのである。何しろ、トランプは安倍の前から権力についていたのではなく、その4年後に政権をめざし、安倍の「自国第一主義」の4年間について文句を言い立てて、それを一つのテコに政権を簒奪した事実は、いくら安倍でも否定することはできいからである。

 トランプはこの4年間、安倍政権の思いあがった「自国本位主義」を苦々しく、また腹立たしい感情で見ていなかったと、安倍は断言できるであろうか(あるいはオバマも、ある程度安倍には呆れていたかも知れない、しかしオバマは野卑なトランプと違って、紳士≠ナあり、大人≠ナあって、自由主義的ブルジョアたちのお気に入りであり、安倍にとって御しやすい大統領であったのは、トランプにとって、米国の前に卑しく拝跪するしか能のない安倍が御しやすいのと似たようなことかもしれない)。

 グローバリズムやTPPによって何か自分の職が脅かされるかに感じる、米国の多くの中間層≠竏齦狽フ労働者にとって、TPP交渉において、甘利明がフロマンらを差し置いて交渉を仕切るかに、偉そうに振る舞い、でしゃばりながら、米国のたった2%ほどの自動車関税の撤廃を要求する一方、日本の38%の牛肉関税や、あるいは米価の8倍にもなるような(つまり800%の関税である。他にも360%のバターや328%の砂糖という、途方もない関税もあった)、輸入禁止的な関税を、安倍政権が日本の「聖域」として固執する姿を見て――しかもTPPは原則として「聖域」は設けないと最初から謳い、前提していたというのに、後から割り込んできておいて、そんな原則などないかに、どうでもいいかに振る舞う、厚かましい姿を見て――、トランプが、多くのトランプ≠スちがいらつき、またひょっとして怒り心頭に発していなかったと、どうして言えるのか。

 そんな事実があったからこそ、トランプのデマゴギーは、資本主義の深化の中で、その利益のみを求めて猛進する資本の運動の中で、グローバリズムの嵐の中で、追い込まれ、没落に瀕していたような米国民の一部に、容易に浸透することができたのである。

 少なくとも、トランプにとっては、そんな「自国第一」の安倍政権の姿が憤激を呼ぶものであったのは、「歴史問題」(南京大虐殺や、植民地時代、15年戦争の時代、韓国の若い女性を日本の軍隊における慰安婦≠ニして動員した問題、つまり軍事的な性奴隷化の事実等々)での安倍一派や国家主義の悪党たちの無神経で、卑しい言動が、中国の習や韓国の朴らの怒り――実際には反動派の政治家にとっては、それは、かなりの程度、ジェスチャーとしての、政治的な♂縁oや扮装としての怒りでしかないとしても、しかしその背景には、国民的な<激xルでのいらだちや憤慨があったのは当然のことである――を呼ぶのと似たようなものであった。

 それは例えば、パールハーバーを宣戦布告もなく、だまし討ちのような形で急襲し、太平洋戦争を引き起こした張本人でありながら、原爆投下で米国の罪を問えると考える――軽薄で、もっともらしい、偽りのヒューマニズムを振りかざしなから――安倍政権や国家主義者のいやらしさを感じている米国人が山といるのと同様である。 

 我々はトランプが大統領に成り上がったとき、トランプは安倍であり、安倍はトランプであると喝破した。実際、労働者、勤労者は、トランプを呼び込んだのは安倍政権でさえあると主張し、トランプは4年ほど遅れてきた安倍にすぎないと結論し、安倍を告発するし、しなくてはならない。

 トランプが余りに醜悪で、途方もない存在だというなら、安倍も同様であり、トランプが世界中の反動派や国家主義者たちを鼓舞し、はびこらせると言うなら、安倍政権も同様であり、安倍がトランプや習やプーチンらと呼応するなら、トランプも同じである。

 我々は国際主義者であり、トランプと闘うためにも、安倍政権を暴露し、安倍政権とこそ断固として闘うのであり、闘わなくてはならないのである。何故なら、安倍はトランプよりも4年も早く政権を握り、トランプの登場に道を開き、トランプを助けてきたからである。

 そしてそうした立場に立って、米国の労働者、勤労者がトランプとその国家主義や「自己第一主義」を支持するのではなく、反対にトランプと彼の政綱とこそ一貫して、断固として闘うように呼びかけ、鼓舞し、激励するのである。

   

【働く者のセミナーに参加しよう】
安倍の同一労働同一賃金は看板だけ
差別労働、搾取労働を一掃せよ!


 日本の労働者の労働は、過酷で悲惨な状況になっています、2千万人に達する非正規労働者の賃金は正規の6割、ひどい差別賃金です。また、過労死に代表されるように長時間・過密労働がひろがっています。セミナーでは、こうした差別労働、搾取労働の一掃について議論し、闘いの道を探ります。

 ★チューターはどちらも 林 紘義氏

 【関西】  主催・働く者のセミナー実行委員会(関西)

 ★日時 2月26日(日)午後1時半から

 ★会場 会場 国労会館(JR環状線 天満駅下車3分)

 【首都圏】 主催・働く者のセミナー実行委員会(首都圏)

 ★ 日時 3月5日(日) 午後1時半から

 ★ 会場 北とぴあ(JR京浜東北線、地下鉄南北線王子駅徒歩3分

   

【飛耳長目】

★国会で天皇の「人権」を認めるべきかどうかという議論が、安倍と民進党の細野の間で交わされた。細野は天皇の人権は考慮されるべきと強調したが、安倍は「制限がある」と逃げるだけだった★そして安倍は、天皇の意思を尊重するかに装いながら、世論や天皇の意思通りにやるのは「簡単」だが、政府が「思慮に思慮を重ねて行くべき」と、事実上、天皇の意思通りにはやらないと開き直った★つまり安倍は天皇の言行は、憲法上、政府の指示や意思通りに従うことになっているから、政府の都合があれば、天皇の意思を無視してやって当然で、何の後ろ指を指されることもないと傲然と言い放つのである★しかも厚かましくも、安倍以外の国民が、天皇の発言をひいて主張すると「玉座を胸壁となす」ことになる、つまり天皇の言葉を引いて、自分の野望のために利用することになると細野らを非難するのだ。つまり自分が天皇の言葉を利用して、自らを正当化するのはいいが、細野らがやるのは畏れ多いことだ、やるべきではないというのである★天皇は偉いが、それよりも首相である自分の方が上で、自分は天皇の意思をいくらでも無視、軽視していいが、自分以外は天皇の臣下≠ニして、ただ尊崇すべき神に近い人として敬い、尊べというのだ。天皇制が安倍ら権力者のためにのみ存続することを暴露して余りある、安倍の貴重な国会発言であった。(鵬)

   
   

【主張】

「多様性の」米国の頽廃
オバマの米国からトランプの米国へ

 トランプの米国は今やてんやわんやの混沌の国と化しつつある。そんな混乱を呼び込んだのはトランプの「米国第一主義」という国家主義、排外主義であり、また白人やキリスト教(新教)こそ本来の&ト国であるという信念≠ナある。

 だから今や、バロン主席戦略官といった極反動の悪党が、トランプの側近中の側近として幅を利かすのである。今回の「入国制限」の強行にも、バロンが中心的な役割を果たしている。

 バロンは、「オルトラライト」(ネット右翼)を標榜するニュースサイトの運営者だった人物で、公然と白人至上主義を高唱してきた、人種差別主義者である。そんな人物が政府の中枢に座り、政権の政策や方針を決定し、左右している。

 トランプ政権の女性蔑視はすでに周知のことであって、まるで米国の歴史が数十年も逆回転し、後戻りしたかである。

 多民族国家≠フ矛盾と正面から向き合わず、多様性≠美化するだけの、表面だけの国内宥和≠ノ浮かれてきた自由主義的米国の破綻でさえある。その意味では、オバマの後にトランプが出てきたのは象徴的であり、必然でさえある。

 自由主義派は宗教差別をするな、イスラムも同等であると言うが、しかし問題は、そんな綺麗事のヒューマニズム≠ナ済ませ得る問題ではない。

 というのは、同じ宗教といっても、歴史的に宗教革命≠経て、宗教を自由主義化して、個人の内面の≠フ問題に相対化した宗教、ブルジョア社会に適合し得る宗教と、それ以前の段階の宗教、いわば絶対主義的¥@教とは、まるで火と油のように適合できない契機が存在するからである、宗教絶対主義は必然的に「政教分離」ではなく、その一致と融合であり、そこに行き着くからである。

 この問題はヨーロッパでは自覚されていて、例えばフランスは「政教分離」を徹底させて解決しようと努めるのだが、それでもイスラム教徒とそれ以外の国民の間で、いくらでも紛争のタネになっているのである。

 この問題では、ブルジョア国家は矛盾しており、一方では「政教分離」を原則としながら、他方では国家自らが一定の宗教に縛られた存在で、その限り、「政教分離」を徹底させ得ないのであり、従ってまた宗教問題を解決して、本当の国民的融合を勝ち取ることが決してできないのである。

 もし多くの宗教を内包する国家が、国民の宗教的分裂を止揚しようとするなら、宗教的偏見と非科学性を克服する以外ないが、ブルジョア的国民教育が無宗教や唯物論を的確に教えることは決してできないのである、「多様性」などを謳うことによって、この問題をごまかし、回避するだけだからである。

 もちろん非宗教的な教育をするということは、国民に宗教を強制することとは全く別である、そんなことは強制しなくても、搾取や権力支配や階級対立が一掃される、将来の解放された社会では、宗教など不必要になり、容易に死滅して行き得るから、立派な、合理的で、科学的な教育がそれを助長し得るからである。

 ブルジョア的国民は、そもそも最初から階級的に分裂し、したがってまたありとあらゆる対立や闘争や矛盾を内包しているのであり、国民の「多様性」という自由主義派の理屈は、そんな現状の追認であり得ても、その止揚には何の役割も演じ得ないで、いたずらに国民の「多様性」を、つまり分裂の容認を追随的に承認するだけであり、かくしてオバマの米国からトランプの米国への転換を、後退と頽廃を助けただけであった。

   
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