MCGトップページ E-メール


マルクス主義同志会機関紙
『海つばめ』

◆隔週日曜日発行/A3版2ページ
一部50円(税込み54円)

定期購読料(送料込み)1年分
  開封 2000円
  密封 2500円

ご希望の方には、見本紙を1ヶ月間無料送付いたします。

◆電子版(テキストファイル)
メールに添付して送付します

定期購読料1年分
 電子版のみ 300円

 A3版とのセット購読
  開封 2200円
  密封 2700円

●お申し込みは、全国社研社または各支部・会員まで。
E-メールでのお申し込みもできます。



郵政民営化の中で何が起きているのか?
郵政労働者は告発する!

■民営化の嵐の中で最大の御用組合の登場――JPU臨時全国大会議案批判
■郵政民営化――今、職場では/郵政現場からの報告
■恐竜化か、リリパット化か――郵政民営化のジレンマ
■西川善文著『挑戦――日本郵政が目指すもの』/民営化に賭けるトップの本音


憲法改悪と
いかに闘うか?


■改憲に執念燃やす安倍――「国民の自主憲法」幻想を打ち破れ
■労働者は改憲策動といかに闘うか
■国民投票法をどう考えるか
■安倍の「美しい国」幻想――憲法改定にかける野望


本書は何よりも論戦の書であり、その刊行は日和見主義との闘いの一環である。
マルクスが『資本論』で書いていることの本当の意味と内容を知り、その理解を深めるうえでも、さらに『資本論』の解釈をめぐるいくつかの係争問題を解決するうえでも助けとなるだろう。


全国社研社刊、B6判271頁
定価2千円+税・送料290円
●お申し込みは、全国社研社
または各支部・会員まで。
E-メールでのお申し込みもできます。
「不破哲三の“唯物史観”と『資本論』曲解』(林 紘義著)」紹介(『海つばめ』第1048号)


全国社研社刊、B6判384頁
定価2千円+税・送料290円
●お申し込みは、全国社研社
または各支部・会員まで。
E-メールでのお申し込みもできます。
「天皇制を根底的に論じる『女帝もいらない 天皇制の廃絶を』(林 紘義著)」(『海つばめ』第989号)他

理論誌『プロメテウス』第54号
2010年10月(定価800円)

《特集》菅民主党のイデオロギーと“体質”
・神野直彦の思想と理論――菅直人のブレインは「曲学阿世の徒」
・原則なき寄せ集め政党――顕現するブルジョア的“体質”
反動的な「文化」の擁護に帰着――レヴィ=ストロースの「文化相対主義」批判


 
 
 教育のこれから
   「ゆとり」から「競争」
   そして「愛国教育」で
   いいのか
 林紘義 著 7月1日発売

  (全国社研社刊、定価2千円+税)
  お申し込みは、全国社研社
  または各支部・会員まで。
  メールでの申し込みも可能です。

まかり通る「偏向教育」、「つくる会」の策動、教育基本法改悪の動きの中で、“教育”とは何であり、いかに行われるべきかを、問いかける。  


 第一章  
教育基本法改悪案の出発点、
森の「教育改革策動」
 第二章  
破綻する「ゆとり」教育の幻想
 第三章  
“朝令暮改”の文科省、
「ゆとり」から「競争原理」へ
 第四章  
ペテンの検定制度と「つくる会」の教科書
 第五章  
歴史的評価なく詭弁とすりかえ
つくる会教科書(06年)の具体的検証
 第六章  
日の丸・君が代の強制と
石原都政の悪行の数々
 第七章  
憲法改悪の“露払い”、教基法改悪策動

●1279号 2016年7月3日
【一面トップ】闘わずして敗北する民共――アベノミクスとの対決を避け
【一面サブ】自己批判して――消えてしまった「シールズ」
【コラム】飛耳長目
【二面<主張>】共産党の転落を象徴――香川選挙区について
【二面トップ】イギリスのEU離脱――新しい世界危機に道につながるか
【二面カコミ〈労働者の闘いから、我々の闘いから〉】
6年越しの闘い実る――有期雇用290名を全員無期雇用に

※『海つばめ』PDF版見本

闘わずして敗北する民共
アベノミクスとの対決を避け

 参院選は終盤を迎えているが、民共は「野党共闘」(共産党の愚者たちの言うところでは、「野党と市民主義者の共闘」)がうまく成立して、盤石の選挙体制を築いたはずなのに、自公に「維新」や「心」を加えた大資本の勢力、反動勢力の圧勝が予想されている。資本主義の矛盾が深化し、安倍政権の政策が、つまりアベノミクスがすでに破綻をあらわにしつつあり、株価の暴落や急速な円高に象徴されるようなボロボロの結果に帰着し始めているときに、さらには財政破綻や社会保障の危機が深化し、その破綻と解体が現実のものになりつつあるときに、そして資本の競争や矛盾が激化し、労働者、勤労者への搾取や生活抑圧がますます強まり、労働者、勤労者の2千万人、4割もの人々が、とりわけ過半の女性労働者が非正規の労働者に転落するなど、労働者、勤労者の生活破壊が急速に進み、深刻化しているときに、なぜ自公や反動派の圧勝なのか。そんなことがあっていいのか、許されていいのか。

自公が勝ち、民共が敗北するのは、不公正で差別的な選挙制度、全く欺瞞的な現在のインチキ制度を別とすれば、民共が安倍政権と正面から、断固として闘わないから、闘うことができないからにすぎない。

 せっかく安倍政権が消費増税延期やアベノミクスの評価が「争点」だと挑発し、挑戦したのに、民共は、この挑戦を正面から受けて立ち、まさにこの点で真剣な闘いを貫徹し、安倍政権を追い詰める絶好の機会を逸してしまったのである。

 これはある意味で驚くべきことであって、民共はアベノミクスに圧倒されて麻痺し、闘う意思をなくしたのであろうか。アベノミクスがどんなに愚劣で、実際には「経済成長」や「財政再建」や労働者、勤労者の生活の改善などに何のプラスでないばかりか、まさにその反対の結果に行き着くし、行き着くしかないということを理解しえなかったのか。

 アベノミクスに対する断固たる反撃と闘いを組織するのではなく、事実上、安倍の宣戦布告に背を向けて逃走したのだから、すでにこの時点で民共は敗北したのである。

 岡田は、もっぱら安倍の「改憲隠し」を攻撃し、「改憲勢力が3分の2の議席を阻止する」といった日和見主義を参院選の課題だとわめき立てたが、なさけない敗北主義でしかなく、闘わずして負けを選んだといって少しも言いすぎではない。

 共産党も同様で――あるいはさらに愚劣であって――、すでに2年近くも昔の集団的自衛権の解釈を変更する「閣議決定」を憲法と立憲主義の否定だと叫び、したがって「民主主義を取りもどすために」、その撤回を求めていく、さらに昨年秋の安保法(共産党は「戦争法」などと非科学的に概念規定したのだが)を廃棄するために国民連合政府を組織すること、その出発点を築くことを参院選の課題とし、そのために民進党との奴隷的な共闘作りに熱中し、そんな小手先の愚策で、自公に勝てると妄想した。

 民共は一体アベノミクスの何を恐れたのか、それが安倍の言うように「成果を上げつつあり」、その道に沿ってさらに進み、それを「加速化する」なら、本当にバラ色の、繁栄する資本主義がやってくるとでも考えたのか、だからアベノミクスを掲げる安倍自民党と対決するのを恐れたのか。

 アベノミクスの本質は、国家とその経済的な力と機能を動員し、カネをばらまくことで、一時的にインフレ景気やバブル景気を引き起こし、まるで「景気回復」や「経済成長」がやってきたかに幻想させる、邪道の政治であり、政策であって、まともな政府ならむしろ回避するたぐいのいかさま政治、半デマゴギー政治の謂いでしかない。

 一時代昔のブルジョア政治家なら、むしろ回避しようとして、「健全財政」や「中立的」金融政策にこだわって排斥したような政治、ただ腐敗し、反動化していくブルジョア勢力にのみふさわしい政治ではなかったのか。

 実際には、今やアベノミクスや黒田日銀の「異次元」の金融緩和政策は3年半を経て、その偽りの威力と一時の輝きを失い、行き詰まり、効果というより、こうした政策に不可避の弊害を、有害性を暴露し、あらゆる場所で破綻をさらけ出し始めており、たのみのつなの株価は低迷し、円安は円高に転じ始め、大企業さえ経営悪化に転じ始め、労働者、勤労者の生活の改善はいっこうに進まなかったどころか、むしろ悪化し、非正規労働者つまり一層貧しく、不安定で、未来に希望を持てない、絶望的な状態に追い詰められる労働者、勤労者の数は激増した。

 そして安倍政権も黒田日銀も、参院選だというのに、円高に対する有効な対策をとることもできず、追加の金融緩和策さえ打ち出せなかったのである。つまり今後、さらに経済状態の悪化が進み、深刻な事態がやって来かねないのに、立ち往生するしかない、追い詰められた現状を暴露したのである。

 そしていまや、イギリスのEU離脱という衝撃が世界を襲う中で、世界と日本の経済はいっそう動揺し、混迷と危機を深めつつあり、株価下落や円高に拍車さえかけられてようとしている。

 安倍政権がこうした状況の中で、経済悪化に対して強力な対抗策を打ち出すことができず、アベノミクスの成功は「道半ば」だが、今後はアベノミクスを「加速する」ことで困難が克服できると口先だけで強がるしかできないのだが、まさにこの事実こそ、アベノミクスの破綻を、それがどんなに日本経済にとってマイナスであり、悔いを千歳に残すような、日本経済を弱体化、寄生化し、危機に際して抵抗し得ないような経済を生み出してきた、最低、最悪の愚策であったかを教えている。

 今や安倍政権には、深化する矛盾や困難に対して、強力な金融緩和政策を打ち出すことはできない、というのは、日銀に国債を買わせて日銀券をジャブジャブと経済過程に、資本市場に流し込むことはすでに限界に来ていてできないからであり、これ以上やれることは政府紙幣の発行に踏み切るしかないような状況だからである。またマイナス金利以上の低金利政策は存在せず、金利引き下げで「景気刺激」をすることもかなわないからである。

 安倍はせっぱ詰まって、今さらながら財政支出を強調し始めたが、そんなものは財政崩壊の中で金融緩和よりも困難であり、“危険”であると考え、だからこそ安倍とリフレ派は、財政膨張ではなく、金融緩和だと叫んできたのである。今さら「財政出動」に賭ける、それしかないというなら、それこそアベノミクスの破綻を満天下に宣言するに等しいであろう。

 円高の急速な進行に対し、強力な直接介入をやろうにも、これまで3年半も、散々に円安誘導策を続け、漁夫の利を占めてきた安倍政権が、今また円安のためにえげつない政策をやることは、世界中のブルジョアから、とりわけドル安にこだわり始めたアメリカから許されるはずもなく、日本のエゴイズムを非難され、麻生は切歯扼腕するしかないのだが、自業自得というしかない。

 かくして3年半前は資本の勢力、とりわけ金融資本の寵児であったアベノミクスは、今ではそのマイナス面と破綻を暴露し、国民の憎まれっ子になるしかないのである。

 だから参院選に際して、アベノミクスとの断固たる対決を避けて、安倍に名をなさしめるような戦術をとるとなど考えられないほどの日和見主義と“間違い”であり、自らの闘わずしての敗北につながったと結論するしかない。

 そして民共が安倍政権やアベノミクスと闘うことができなかったのは、彼らもまた、賃上げで消費需要を押し上げれば景気回復ばかりか、経済成長までもがやってくる、それこそ最良、最善の経済政策だなどとトンチンカンなことを叫び、事実上、現代のブルジョアたちのケインズ主義的幻想を共有してきたからであって、民共にとっては、アベノミクスもまんざら“間違った”、あるいは方向違いの政策ではなかったのである。

 というより、民共が主張してきたような政策が――バラまき政策や、口先だけのもっともらしい改良政策や、労働者懐柔政策が――安倍政権によって“盗み取られ”、片端から行われるようなら、労働者、勤労者にとって、民共でなくてはならない理由は何一つないのである。

 参院選における自公の勝利が不可避であるのは、自公勢力が、アベノミクスが支持されたからではなく、労働者、勤労者が民共を支持しなかったから、支持できなかったからにすぎない。

 同じようなケインズ主義的政策にしか救いがないというなら、ブルジョア政党に任せる方がいいに決まっている、少なくともその方が“安定”という利点があることは、すでに民主党政権の3年間の経験から、労働者、勤労者も知らざるを得なかったのである。

 といのは、ブルジョア政権の方が、資本の利益に沿って一貫した政策を遂行し、動揺や観念的で、余計なことをする恐れがないかに見えるからである。

 アベノミクスとの対決を避け、空虚な野党共闘というお為ごかしで、いくらかの議席を増やそうとした、余りに矮小で、なさけない民共勢力と市民派が、そして朝日新聞などマスコミリベラルもまた敗北するのは一つの必然であった。

   

自己批判して
消えてしまった「シールズ」

昨年の夏頃には「一世を風靡」したシールズは、彼らの熱望した野党共闘が実現し、めでたく参院選で彼らの望んだように31の一人区で、共産党が候補者を降ろし、統一候補が出そろったというのに、どこに消えたか余り存在感がない。北海道の補選のときは幹部がぞろぞろと応援に出かけ、派手に振る舞ったというのに、である。一人区では仕方なく統一候補――事実上、主として民進党の候補――を応援するが、比例区や複数区の選挙区では個々のメンバーは自主投票であって、野党に投票するという方針さえ出せないでいる。参院選後には早々に店じまいするとも聞く。

 個々の政党を支持しているわけではないということなのか、矛盾そのものである。なぜ野党の統一候補なら支持して、個々の野党は支持できないというのか。

 彼らは北海道の補選で野党と市民派の共闘が敗北することによって、安保法の撤回とか立憲主義の回復とか国民連合政府とかいった観念論をひっさげて(あるいは国会デモで威勢よく「戦争反対」といった抽象的な空文句を叫んだりしたと同様なやり方によって)、現実の政治闘争を、つまり選挙闘争を闘うことができないことを、つまり昨年の夏頃の自分たちの考えや行動が、労働者、勤労者の大衆の現実の生活や意識とかけ離れた、観念的で、浅はかなものであったかを悟ったのだろうか。

 参院選でも、アンケートの結果によれば、共産党や市民派が騒ぎ立てている、「安全保障・外交問題」、あるいは憲法問題さえも――もっとも憲法問題は、安倍政権は「争点ではない」と逃げてしまったのだからアンケートの枠外だろうが――重視して投票すると答えている有権者は、10%、20%のレベルを越えないのであり、かくして多数派の労働者、勤労者などの感覚は、残念ながら、頭でっかちな学生や、共産党や社民党らのプチブル政党とは天と地ほどもかけ離れていることが明らかにされている。そしてシールズは自らの浅はかさを反省して、野党に参院選の戦略的な転向を忠告したという、つまり労働者、勤労者が関心を持っている経済的な課題、生活に密着した課題をしっかり訴えるべきである、と。

 今、民進党はもちろん、共産党や社民党までもが、参院選の中心課題だと言いはやしていた安保法の廃棄とか立憲主義の回復をこっそり後景に押しやって、盛んに経済の問題までも論じるのは、一つには、そうしなくては安倍に太刀打ちできないからであり、また政治経済の現実がそうしたテーマで安倍政権に迫ることを強いるからでもあるが、案外、シールズの指示に従ってのことかもしれない、というのは、志位は野党共闘は共産党の政策ではなく、市民が強く望んだからであるともっともらしく言いはやすからである。

 つまり今や共産党はシールズの出しゃばり学生以下の存在である。

 情けない労働者階級の「前衛」も何もあったものではない、あるいは労働者の「前衛」――これは今でも、共産党の理論誌の名前である――にはとうていなり得ないと悟ったから、学生の「後衛」にでもなろうということなのか。

 何とまあ、それこそ共産党にふさわしい立場であり、たち位置であることか。

   

【飛耳長目】

★26日のNHK各党討論番組を見ていたら、共産党の藤野が調子に乗って、防衛費は「人を殺すための予算」と口を滑らせた。与党側の出席者は失言を逃すものかと揃って藤野批判で結束したので、さすがに藤野もまずいことをしたと思ってかしょぼんとしてしまった★その後、藤野は謝罪し、共産党は藤野は「党の方針とは異なる発言をした」と政策委員長から更迭した。しかし志位自身が、共産党の全体がこの間、何十回、何百回となく、安保法によって、自衛隊は外国で「人を殺し、殺される」組織になった、日米安保同盟は「殺し、殺される『血の同盟』」だなどと言い続けてきたのだ。藤野発言は「党の方針と異なる」どころか、忠実に「党の方針」そのものである★共産党の弁解は、藤野発言は「戦争法と一体に海外派兵用の武器・装備が拡大していることを念頭においたものだ」、「自衛隊は違憲」だが、「かなり長期にわたって存続する」、「災害時や急迫不正の事態には働いてもらう」、「結果として自衛隊の皆さんに迷惑をかけた」等々、意味不明の、独りよがりで、支離滅裂なものでしかない★この党はプチブル平和主義と矮小な民族主義のとりこになって、軍国主義の発展に「人を殺すから悪い」といった矮小で非科学的な立場から反発するだけで、軍国主義の発展を国家の必然性として正当化する安倍をまさに「結果として」美化するのだ。(鵬)

   
   

【主張】

共産党の転落を象徴
香川選挙区について

 2016参院選を象徴する選挙区の一つ、香川選挙区について論じよう。

 そこでは、「共産党の候補が1人もいないと党が持たない」という志位らの悲鳴や懇願に根負けして、民進が譲った選挙区であり――他の選挙区における、共産党の“誠心誠意の”支援つまり奴隷的な追随や奉仕と引き替えに――、民進側から「党が一本化すれば勝てる選挙区だ」といったぼやきさえ漏れてきたのである。共産党候補が惨敗するなら、一体何のための野党共闘か、ということになりかねない。

 もちろん共産党は模範的に振る舞い、一切の“独自の”見解や政策はすべて封印し、ご丁寧に香川で交わした「合意」から一歩も出ない形で“戦っている”、つまり「安倍の暴走を阻止しよう」といったレベルでの闘いに終始している。

 市民派が参院選の課題として掲げ、共産党が全面的に追随した、「安保法の廃棄」とか「立憲主義の回復」といった、共産党にとっての中心の政治課題さえあいまいにされ、抽象的な“平和”や“民主主義”の回復とかいった、労働者、勤労者には今は直接の課題ではではない――というのは、それらは今、すでに現存しているから――抽象的な問題が大騒ぎして持ち出されている。

 そもそも日本から民主主義(体制?)が「失われた」とか、米国に支配された国家であって「独立」が必要だといった“スターリン派の”ドグマに労働者、勤労者がまじめに耳を傾けるはずもないではないか。

 6月3日、共産党が香川の民進党と交わした「確認書」には、実に驚くべき内容が記されている。

 おおよそ4点があるのだが、簡単に紹介すると、まず第一に、「資本主義の民主的改良を目ざし、私有財産を保証する」とある。こんな「合意」がなぜ、香川の選挙協力のために必要なのか。こんなことを約束しなければ結べないような共闘とは、反動的で、ろくでもないものではないのか。

 第二は、日米安保や自衛隊を否定する観念を野党共闘に持ち込まないこと、第三番目は、天皇制を含めて現行憲法を丸ごと擁護するとあり、最後はご丁寧にも、「一党独裁を否定し、選挙による政権交代制を維持する」と記されている。

 民進側は、こんな「合意書」に狂喜し、「共産党もすっかり変わった」とか、話せるようになった、これなら一緒にやれるとか持てはやすのだが、何のことはない、すでにスターリン主義共産党は、事実上、1930年代の人民戦線戦術の時代からこうしたことを言い続けてきたのである。

 そして実際、選挙カーも民進に言われて、赤から民進のシンボルカラーの青に塗り替え、香川に応援演説に来た志位は、民進に党の独自の見解は封印し、「共通政策しか言わない」と断るほどの徹底ぶりである。

 事実、志位は独自の政策、例えば国民連合政府構想はもちろん、持論の消費増税中止さえ訴えようとしなかった、というのは、民進は行きがかり上、消費増税再延期を謳ったが、党内には消費増税肯定論者がいくらでもおり、また例によって「安倍政権の下での」消費増税反対であって、民進政権ができれば、野田政権の3党合意の路線に戻って10%の、あるいはそれ以上の消費増税に走りかねないからである、そして志位は、そんな民進に気兼ねし、遠慮したのである。

 香川で見られるものは、共産党が半ブルジョア政党に完全に屈従し、迎合し、実際に融合しつつある現実である。こうした路線の延長線上にあるものは、共産党の公然たる転向とブルジョア政党への融合、解消であろう。これはヨーロッパの共産党つまり“ユーロコミュニズム”のたどった道と正確に同じ、共産党の自己否定と破滅への道である。

   

イギリスのEU離脱
新しい世界危機に道につながるか

 「経済統合」から「政治統合」に進むといいはやされ、また事実、その方向への具体的な道筋すらも語られていたEUが、イギリスの離脱によってまさに解体の危機さえあり得る事態を迎えた。

 そしてそれはまた、資本主義世界全体の、従ってまた諸ブルジョア大国の“秩序”や勢力関係の再編成等々の大きな激動につながる契機さえ持っている。

 それが世界の、とりわけ先進国のブルジョアたちにとって、彼らの一つの世界的な“秩序”の重大な一環の解体であり、解体の危機であるが故に、深刻な動揺を呼び、株価の崩落や為替の激動など、現代の資本主義世界を揺さぶり、下手をすれば世界的な歴史的危機、G7で安倍が言いはやした“リーマンショック級の”経済危機や、不況や信用恐慌や国家破産の危機さえもの引き金になり――というのは、世界はすでに信用膨張や通貨膨張、さらには赤字財政の膨張によって多くの危機を、破裂して当然の様々なバブルを内在させ、成熟させているからある――、そんな事態を誘発し、あるいは呼び込みかねないからである。

 EUの顕在化した危機は、ブルジョア的国家統合が一つの幻想であること、「ヨーロッパ合衆国」はもちろん「国際連盟」「や国際連合」(“世界政府”という自由主義的ブルジョアや観念的プチブルの願望、もしくはみじめなカリカチュア)といったものの限界と反動性さえ改めて暴露した、貴重な歴史的経験ともいえる。

 そしてEUの解体の兆しが、世界中で高まる諸国家の民族主義、国家主義、つまり先進的なブルジョア国家の自国の利益優先という、国家エゴの新しい高揚の中で現れたのは偶然ではない。

 資本主義の危機が世界的に深化し、諸国家の共同の利益の分け前ではなく、損失や犠牲の“分け前”(負担)を争わなくてはならなくなると、ブルジョアたちは、したがってまたブルジョア国家はお互いに自らの利益のために我を忘れ、「国際協調」等々に代わって、民族主義や国家主義のための闘いを、戦争さえも叫び始めるのである。イギリスの“独立党”しかり、中国の習近平しかり、ロシアのプーチンしかり、アメリカのトランプしかり、そして日本の安倍しかり、である。

 資本の支配する世界では、世界政府はもちろん、国家統合さえ極度に困難で、なされたとしても例外的で、部分的なものとしてしか存在しないし、して来なかった。世界政府の出発点などと喧伝された、美化されてきた第一次世界大戦後の国際連盟も、第二次世界大戦の国際連合も、いくらかでも世界政府といえるようなものとして存在し、あるいは機能しては来なかった。そればかりか、それらの機関は世界の大資本の、あるいは大資本の国家である大国や強国の利益のために、基本的に機能して来たのである。

 だからこそ、EU分離がかならずしも労働者、勤労者の利益とは言えないにもかかわらず、EU機関、EU体制もまたイギリスにおいて国民的な――労働者、勤労者の一部さえもの――支持を失ったのである。

 それはすでにEUの多くの国においても同様である。ギリシャにおいては踏みとどまったが、今やEUの大国であり、途中参加とはいえすでに古株でさえあるイギリスにおいては、EU忌避は現実のものとなったのである。

 離脱に賛成し、移民排斥や外国人に職を奪われていると叫んだ人々の中には――公約や情報の虚偽がたちまち暴かれたようなデマゴーグの民族主義派の独立党などに扇動されて――、労働者の一部も含まれていた。とりわけ貧しい労働者や失業者が離脱に投票したのは、彼らの失業の本当の原因と理由が資本主義的生産にあることを理解できなかったからである。

 世界中の多くの共産党が何と民族主義をあおり立てて、ブルジョアや反動派と事実上協調し、共同戦線を組んだのである、ちょうど日本の共産党がいま「真の民族独立」などのピント外れのスローガンを掲げてそうしているように、である。

 労働者の多くが職を失い、生活崩壊に直面するようになったのは、資本主義の経済が無政府的に膨張し、バブルや過剰生産の反動として不況や経済困難がやってきてからであって、膨張期、好況期にはむしろ労働者不足こそ深刻な問題であり、だからこそ外国からの多くの労働者が流入したのであって、そんなときには労働者が職を失うことなどなかったし、あるはずもなかったのである。

 ただ不況や経済困難が襲いかかってくると、ブルジョアたちは自分たちの破綻や、その責任を、困難を、犠牲を他のあらぬ方向にそらせ、転嫁しようと策動するのであり、困難の本当の原因から労働者の目をそらすために、民族主義や排外主義のデマゴギーをわめき散らすのである。

 だから労働者の怒りは外国人にでなく、資本の支配に、その搾取体制にこそ向けられるべきであって、ブルジョアや反動派は労働者の怒りを――つまりともに共通の利害関係で結ばれている国内の労働者と外国の労働者を――対立させ、いがみ合わせて、その怒りが自分たちに向かってこないように、民族主義や排外主義や国家主義をあおり立て、そらそうとするのである。

 国境に関わりなく、資本の支配と搾取に反対する共通の関係――生産関係における地位や立ち位置、近代的な“身分”制度ーーと、社会主義の理想で結びつく労働者は、自分たちを分裂させ、対立させようとするブルジョアや反動の策動に反対し、国際主義的立場を断固として確認し、労働者全体の共通の利益と未来のために、団結をさらに強固にして前進して行かなくてはならない。

 世界政府や国家統合について言えば、世界の労働者はブルジョア的な国家統合――それが全く存在しないというのではないにしても――が困難であるばかりか、ブルジョア諸国家のエゴイズムが支配する世界においては不可能であり、幻想であること、人類から永久に戦争を一掃し得る“世界政府”等々は、ただ国際的な規模での労働者階級の、資本の支配に反対する共同し、協調した努力と闘いによってのみ――もちろん、この観念を余りに単純に、機械的に理解すべきではない――、世界社会主義の実現とともにのみ可能であり、歴史的に実現され得るのである。

   
   

【労働者の闘いから、我々の闘いから】

6年越しの闘い実る
有期雇用290名を全員無期雇用に

2016年春闘。5月26日の団交で、有期月給者141名、年俸者48名、週32時間未満のパート122名、計290名に対し60歳までの雇用が保障されることになりました。退職金や定期昇給の獲得が今後の課題ですが、そのことについても確認書で「労使協議を継続し、2016年度中に合意を得たものから暫定実施する」が明記されました。6年越しの闘いでまずは第一関門を突破しました。

 当初理事側は労働契約法改正(更新の反復で5年を超えれば次回更新から労働者の申し出により無期雇用に転換できる)に沿った対応で済まそうとしてきました。この法律では労働条件の定めがなく、また5年を超える前に更新しなければ雇用を打ち切ることもできます。また実際の適用は2年後です。

 交渉相手は医療・介護の事業所20数か所を経営し職員総数500名の市内有数の規模を誇ります。しかしそれを担う職員のうち正職員として遇されているのは14名のみ。看護師、レントゲン技師、介護福祉士など有資格者を含めて97%が一年契約(定期昇給、退職金なし)の身分。同じ産別の民間の全国一般傘下の事業と比べても“群を抜く”非正規率職場でした。

 2010年の春闘要求で「2010年4月1日現在で過去3回契約更新した準職員、年俸者は本人が希望すればこの日をもって無期(期間を定めない)雇用扱いとする、同時に賃上げは無期職員同様に毎年4月1日に行うものとする」との要求を行って以来6年、団体交渉、労使協議会を重ねた結果、この度、無期化制度を勝ち取りました。

 なお、無期化制度獲得の労組ニュース配布は非組合員に出来る限り配布し、退職金や定期昇給の獲得のために労組への結集が不可欠と訴え、早期実現の署名運動も展開し労組員の倍以上の署名を集めました。6月には3名の新規加入がありました。  (愛媛・吉)

   
ページTOP